タイヤチェーンの選び方|種類と装着位置の基準

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雪が降りそうな予報を見て「チェーンを買っておこうか」と思っても、金属・非金属・布製と種類が分かれていて、どれが自分の車に合うのか分かりにくいところです。この記事では、タイヤチェーンを選ぶときに見るべき表記、種類ごとの向き不向き、装着位置を間違えたときに何が起きるのかを、公的機関の試験結果とメーカーの公式仕様をもとに整理します。結論から言うと、優先順位は「適合サイズ」→「装着しやすさ」→「種類」の順です。

結論:選ぶ基準は「適合サイズ」「装着しやすさ」「種類」の3つ

先に結論です。どれだけ評価の高い製品でも、自分のタイヤサイズの適合表に載っていなければ使えません。まず適合、次に「自分が寒い路肩で装着しきれるか」、最後に金属か非金属かという順に絞るのが失敗しにくい進め方です。

  • 適合サイズ…「215/60R16」のような表記が、製品の適合表と完全に一致しているか。
  • 装着しやすさ…ジャッキアップ不要をうたう製品か、事前にテスト装着したか。
  • 種類…急勾配を上る可能性があるか、収納スペースをどれだけ割けるか。

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「チェーン規制」で何が求められるのか

国土交通省は2018年11月15日に警察庁と同時に、「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」(310-3)という規制標識を新設する命令改正案を公表し、公布・施行は同年12月上旬とされました。さらに同年12月10日の発表では、この規制の対象として全国13区間(直轄国道6区間・高速道路7区間)が示されています。いずれも勾配の大きい峠部で、過去に大規模な立ち往生が起きた区間が対象とされています。

適用のタイミングは、大雪特別警報や大雪に関する緊急発表が出るような異例の降雪時が想定されており、通常なら通行止めになる状況でチェーン装着車だけを通す、という位置づけです。参考として、同発表では平成29年度は大雪特別警報の発令がなく、大雪に関する緊急発表は3回だったと記載されています。大雪が予想される2〜3日前に広報するとされているため、出発前に道路情報を確認する習慣が実質的な備えになります。

重要なのは、この規制区間ではスタッドレスタイヤだけでは通行できない扱いになる点です。冬用タイヤを履いていても、チェーンそのものを車に積んでいないと条件を満たせない可能性があります。

タイヤチェーンの種類と違いを比較

JAFは2019年2月19日、交通科学総合研究所(北海道士別市)で、前輪駆動のコンパクトカー(新品ノーマルタイヤ)に各種チェーンを装着し、圧雪路の勾配15%と20%、全長50mの坂を各3回上るテストを公開しています。結果は次のとおりです。

種類 代表的な素材 勾配15%(JAF) 勾配20%(JAF) 収納性
金属・亀甲型 スチール系 上りきれた 上りきれた(タイヤが空転し挙動も乱れた) 比較的コンパクト
金属・はしご型 スチール系 上りきれた 上りきれなかった(途中でスリップ) 比較的コンパクト
非金属・ウレタン系 ポリウレタンエラストマー等 上りきれた 上りきれなかった(途中でスリップ) かさばりやすい
布製(繊維製) 繊維 このテストの対象外 このテストの対象外 最も小さい

JAFは、結果は雪質や駆動方式、タイヤの種類などによって変わることがあると注記しています。数値をそのまま一般化はできませんが、「急勾配では亀甲型の金属が有利とされる一方、空転や挙動の乱れも起きる」「非金属は15%までは上れたが20%では止まった」という傾向は、選ぶときの目安になります。

一方で装着性は非金属に寄ります。カーメイトは非金属タイヤチェーン「バイアスロン クイックイージー」について、ジャッキアップせずに取り付け・取り外しができる製品だと公式サイトで説明しており、QE16は3箇所のクイックロック機構で少ない力で締め上げができ、遠心力がロックの締まる方向に働くため走行中に外れにくい設計だとしています。

  • 金属のメリット/デメリット…グリップと収納性に優れるとされる一方、乗り心地と静粛性は不利。
  • 非金属のメリット/デメリット…装着が軽く振動も少ないとされる一方、かさばり価格も上がりやすい。
  • 布製のメリット/デメリット…最も小さく畳めるとされる一方、耐久距離は短めという評判が多い。

スペックの読み方|数値の目安と効く場面

販売ページに並ぶ数字のうち、実際の使い勝手に効くものだけを対応表にしました。数値はカーメイト公式サイトのQE16の記載を例にしています。

表記 数値の目安(例) 効く場面
適合タイヤサイズ 幅・扁平率・リム径が完全一致 純正外ホイールやインチアップ車。合わないと装着不能や破損の原因
速度の上限 50km/h以上で走行すると製品や車両が破損する場合があると明記 規制区間の走行。速度を守る前提で選ぶ
スパイクピンの本数 QE16は両輪で108本 圧雪・凍結路でのグリップ
トレッドの厚み QE16は断面最大12mm フェンダーやサスペンションとのすき間。狭い車は干渉に注意
耐寒性の記載 QE16はマイナス20℃でも硬くなりにくい素材 降雪地での屋外装着
製品重量 QE16は7,000g トランク積載と持ち運び
認定の表示 JASAA認定などの記載があるか 仕様の裏付けが乏しい製品の回避

なお、同社は耐久性について金属チェーンの約5倍とうたっていますが、これはメーカー自身の表現です。実際の寿命は走行距離や路面で変わるため、スペック上の比較として受け止めるのが無難です。Amazonで価格を見る(バイアスロン クイックイージー QE16)

用途別の早見表

使い方 向いているタイプ 先に確認したいこと
年に1〜2回、スキー場や帰省で雪道を走る 非金属(ジャッキアップ不要タイプ) 自車のタイヤサイズが適合表にあるか/7kg前後の箱がトランクに入るか
急勾配の峠を上る可能性がある 金属・亀甲型 JAFテストで20%勾配を上れたのは亀甲型のみ。ただし空転と挙動の乱れも報告されている
荷室が狭い軽自動車・コンパクトカー 金属または布製 収納サイズと、駆動輪に確実に装着できるか
都市部で突然の積雪に備えるだけ 布製 走行できる距離の目安と、乾燥路での使用が想定されていないこと
チェーン規制区間を通る予定がある 種類は問わず、チェーンを携行 国交省発表の対象区間と、事前広報・道路情報

買ってから後悔しやすいポイント6つ

  1. サイズ違いを買ってしまう…適合はタイヤサイズ単位で決まります。インチアップや純正外ホイールだと別型番になるため、車種名だけで選ぶと外れます。
  2. ぶっつけ本番で装着する…カーメイトは公式サイトで「必ずテスト装着をしてください」と案内しています。暗く寒い路肩での初回作業は想像以上に手間取ります。
  3. 非駆動輪に付けてしまう…JAFが2018年2月15日に公開したテスト(トヨタ プリウス・前輪駆動・圧雪路)では、前輪装着なら勾配12%を上りきれたのに対し、後輪装着では途中でスリップして上れませんでした。
  4. 制動距離の悪化を見落とす…同テストの平坦路40km/hからの急ブレーキ(ABS作動)では、駆動輪装着が28.0m、非駆動輪装着が35.3mと、約7mの差が出ています。
  5. 速度を出してしまう…カーメイトは速度超過や連続空転で切断などの破損が起こることがあると明記しています。装着したら速度を落とすのが前提です。
  6. スタッドレスだけで足りると思い込む…チェーン規制が実施された区間では、冬用タイヤだけでは通行の条件を満たさない扱いとされています。

装着方法と樹脂製・金属製の違いは、販売店による解説動画でも確認できます。

出典:YouTube/オートバックス「タイヤチェーン取付方法&樹脂製・金属製の違いを解説! | オートバックス」

よくある質問

スタッドレスタイヤがあればチェーンは不要ですか?

通常の雪道では冬用タイヤで足りる場面が多いとされますが、チェーン規制が実施された区間ではチェーン装着が通行の条件になります。規制区間を通る予定があるなら、冬用タイヤとは別にチェーンの携行を検討する形になります。

4WDならどのタイヤに付ければよいですか?

駆動方式ごとに指定が異なるため、車の取扱説明書とチェーンの説明書の両方を確認するのが基本です。JAFのテストでは前輪駆動車で駆動輪に装着した場合と非駆動輪に装着した場合で、登坂・旋回・制動のいずれにも差が出ています。

乾燥路を走っても大丈夫ですか?

雪のない路面での走行は製品の摩耗や破損につながるとされます。路面から雪が消えた区間では外すのが前提と考え、脱着しやすい製品を選ぶほうが現実的です。

装着にはどれくらい時間がかかりますか?

製品や慣れによって大きく変わるため、公式に時間が示されていない製品も多いです。だからこそ、カーメイトも案内しているとおり、晴れた日の自宅で一度テスト装着しておくのが確実です。

金属と非金属のどちらを選ぶべきですか?

急勾配を上る可能性が高いなら金属の亀甲型、装着のしやすさと乗り心地を優先するなら非金属、というのがJAFの試験結果とメーカー仕様から読み取れる整理です。収納スペースと使用頻度で決めるのが現実的です。

まとめ|買うべき人と見送るべき人

買うべき人は、チェーン規制の対象区間を通る可能性がある人、冬にスキー場や峠へ向かう予定がある人、積雪が年に数回でも立ち往生を避けたい人です。特に非金属のジャッキアップ不要タイプは、装着に不慣れな人でも扱いやすいとされています。

見送るべき人は、降雪のない地域だけを走る人、冬は公共交通に切り替えられる人、適合サイズが見つからないまま「とりあえず汎用品」を買おうとしている人です。サイズが合わない製品は装着できないうえ、車体を傷める原因にもなります。

買う順番としては、まず自分のタイヤサイズを控え、適合表で型番を特定し、届いたら晴れた日にテスト装着する。この3手順を踏めば、雪の夜に慌てずに済みます。Amazonで価格を見る(バイアスロン クイックイージー QE12L)

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この記事の情報源について

この記事は、メーカーの公式仕様・公式サポート情報および公開されている第三者の検証記事をもとに編集部が整理したもので、全製品の実機検証は行っていません。価格や仕様は変更される場合があるため、購入前に各公式ページでご確認ください。

主な参照先:

最終更新:2026年10月11日

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